「夏だからこそ」気をつけたい労災とは?

いよいよ平成30年も折り返し地点を越えました。7月に入り、気温も高くなってきましたね。

どのようなときであっても、企業では労働災害に十分に気をつける必要がありますが、夏になると特に対策が重要となるものがございます。それは、熱中症です。

 

厚労省では、熱中症予防を広く国民に呼びかけるため、平成30年5月10日に各地方自治体、各都道府県労働局に対し事務連絡を発出しました。(熱中症予防の普及啓発・注意喚起について(周知依頼)

気温の高い日が続くこれからの時期に備え、厚労省ではリーフレット「熱中症予防のために」や「熱中症診療ガイドライン2015」を作成し、こまめな水分補給、エアコン等の使用などの予防法について公開しています。保健所・保健センターをはじめ、介護サービス事業者などを通じて広く呼びかけることにより、熱中症予防の普及啓発・注意喚起の取組を推進しています。

今回は、平成30年に始まった取り組みと、実際にオフィスで何を気をつければよいのかについてお話していきます。

 

「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」

平成29年の職場での熱中症の発生状況を見てみますと、7月に10 人、8月に6人もの死亡者が出ていました。これは平成28年と比較しても計4人増加する結果とななっています。

そこで厚労省では、5月1日から9月30日までの期間について、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」と題し、職場における熱中症予防対策の浸透を図る取り組みを平成29年から行っています。特に平成30年は、7月が環境省の主催する「熱中症予防強化月間」の重点取組期間となっております。

下記でご紹介しますWBGT値の把握や、緊急時の連絡体制の整備等を特に重要な点として認識し実施することで、改めて職場における熱中症予防対策の徹底を図り、重篤な災害を防ぐことを目的としています。

 

暑さ指数(WBGT)とは?

上記にてご紹介をいたしましたが、WBGTとは一体どのようなものでしょうか?

WBGT(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案されたもので、熱収支と呼ばれる、人体と外気との熱のやりとりに着目した指標です。

人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境③気温の3つを取り入れた指標となっています。環境省では、熱中症の危険度を判断する数値として平成18年から情報提供が行われています。

WBGT値は、乾球温度、自然湿球温度、黒球温度を測定し、次の式にあてはめて算出します。

(1)屋内外で太陽照射のない場合(日かげ): WBGT値=0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度

(2)屋外で太陽照射のある場合(日なた) : WBGT値=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度

これを下記の表(厚労省パンフレットより内容抜粋)に当てはめます。

作業場所のWBGT値が「WBGT基準値」を超えるおそれがある場合には、身体作業強度の低い作業に変更するなどの対策を講じることが必要となります。

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これまでの死亡災害の発生状況を見てみますと、WBGT 値(暑さ指数)を把握していないために、作業環境を把握したり作業計画の変更したりすることができていない例や、熱中症になった労働者の発見や救急搬送が遅れた例、事業場における健康管理を適切に実施していない例などが見られます。

上記の計算にはJIS 規格に適合した暑さ指数計が必要となります。とても重要な数値ですので、特に屋外での作業を行う部門では設置をする必要がございます。(もちろん、オフィスにも置いておけばより高度な状況把握が可能になります。)

 

どのような救急処置が有効か

熱中症になってしまった場合、救急措置が円滑に実施されるよう、あらかじめ、救急措置の手順を作成し、関係者に周知する必要があります。また、緊急時に直ちに熱中症に対応できる近隣の病院、診療所の情報を把握しておき、万が一の事態に備えることが重要です。

熱中症が疑われる際にはまず、涼しい場所へ移動させたり体を冷やしたりするなどして体温を下げること、塩分や水分を補給することが必要です。

尚、処置を行った上でも本人の意識がはっきりしない、自分で水分や塩分が摂取できない、水分補給など何らかの対処をしても症状がよくならないということが見えた場合には、すぐに医療機関で処置を受けることが重要です。(症状が明確でなくても、迷ったときは救急車を要請します。)

(参考:医師が教える熱中症の応急処置(一般財団法人 日本気象協会)

 

チェックシートによる状況把握

そもそも熱中症にならないことが一番ですが、何に気をつけるべきなのでしょうか?

厚労省からこのようなチェックシートが公開されています。上記でご紹介したWBGTを含め、休憩場所・水分補給・作業の際の服装等についてチェックができます。

屋外の作業が多い業種はもちろん、冷房の効く店舗での勤務の業種、オフィスワークの業種でも、勤務環境に問題がないか、夏本番を迎える前に今一度確認が必要です。

 

御社では熱中症対策はとられていますでしょうか?
この機会にご確認いただき、対策・救急措置に関して社内での周知をしていただけますようお願いいたします。

 

お問い合わせは下記よりどうぞ!

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