失業等給付の給付制限が2ヵ月に!!その他変更や特例は?

雇用保険の失業等給付について、失業等給付をいつから受給できるかに関する「給付制限期間」や、受給資格の決定に関わる「被保険者期間」の算定方法に、これから変更が入ります。その他、雇用保険の失業等給付に関係するところでは、新型コロナウイルス感染症に関する特例もいくつかありますので、併せてご紹介させて頂きます。

1.「給付制限期間」が2ヵ月に短縮

離職された方は、離職後、ハローワークで求職申込を行い、失業等給付の受給資格の決定を受けます。受給の決定を受けた日から、失業の状態が通算して7日を過ぎるまでを「待期期間」といい、この間は失業等給付を受給できません。さらに、自己都合・懲戒解雇で退職した方は、待期期間7日を満了後、翌日から3ヵ月の間は失業等給付を受給できません。こちらを「給付制限」といいます。

その給付制限3ヵ月ですが、2020年10月1日以降に離職された方は、正当な理由がない自己都合により退職した場合であっても、5年間の内2回までは、給付制限期間が2ヵ月になります。ただし、自己の責めに帰すべき重大な理由で退職した人の給付制限期間はこれまでどおり3ヶ月です。

2020年9月30日までに正当な理由がない自己都合により退職した方は、2020年10月1日以降の離職に係る給付制限期間に影響はなく、現行通り給付制限は3ヵ月となります。

https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/content/contents/tori_kyufukikan_tansyuku021001.pdf

2.「被保険者期間」の算定方法の変更

先ほども触れましたが、離職された方は、離職後、ハローワークで求職申込を行い、失業等給付の受給資格の決定を受けます。その受給資格は、離職日以前の被保険者期間の月数によって決定します。

<受給資格>

  • 原則として、離職の日以前2年間に12か月以上被保険者期間がある。
  • 倒産・解雇等による離職の場合(特定受給資格者に該当※1)、期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと、その他やむを得ない理由による離職の場合(特定理由離職者に該当※2)は、離職の日以前1年間に6か月以上被保険者期間がある。

※1 特定受給資格者

倒産・解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた方

※2 特定理由離職者

特定受給資格者以外で、期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと、その他やむを得ない理由により離職した方

こちらの被保険者期間は、離職日から1ヶ月ごとに区切っていた期間に賃金支払の基礎となる日数が11日以上ある月を1ヶ月と計算していました。しかし、週の所定労働時間が20時間以上であり、かつ雇用見込み期間が31日以上であるという雇用保険被保険者となる要件を満たしながらも、賃金支払の基礎となった日数が11日に満たないことにより、被保険者期間に算入されない期間があるため、日数だけでなく労働時間による基準も補完的に設定するよう見直されました。

2020年8月1日以降の離職者は、日数が11日以上ある月に加え、賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月も1ヶ月として計算します。

https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/content/contents/hihokennshakikannsannteihouhou-020616.pdf

3.新型コロナウイルス感染症等に対応した給付日数の延長に関する特例

「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律」が6月12日に施行されました。長期化する求職活動等に対応する為、積極的に求職活動を行っている方に対し、雇用保険の失業等給付の給付日数を60日(一部30日)延長できることが特例として設けられています。

➢対象となる人

以下の方で、施行日の2020年6月12日以後に失業等給付の所定給付日数を受け終わる方が対象です。

  • 2020年4月7日(緊急事態宣言発令以前)までに離職した人・・・離職理由を問わない(全受給者)
  • 2020年4月8日~2020年5月25日(緊急事態宣言発令期間中)に離職した人・・・特定受給資格者および特定理由離職者
  • 2020年5月26日(緊急事態宣言全国解除後)以降に離職した人・・・新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた特定受給資格者および特定理由離職者(雇止めの場合に限る)

全国一律で上記の日付で判断されます。

障害者等の就職困難者の方は当初から所定給付日数が長いため、対象となりません。

➢延長される日数

失業等給付の給付日数は、退職理由、年齢、勤続年数等により、定められています。

  • 延長される日数 30日(30歳以上45歳未満で所定給付日数270日の方、45歳以上60歳未満で所定給付日数330日の方)
  • 延長される日数 60日(上記以外)

➢対象とならない場合

以下のいずれかに該当する場合は、対象となりません。

  • 所定の求職活動がないことで失業認定日に不認定処分を受けたことがある場合
  • やむを得ない理由がなく、失業認定日に来所しなかったことにより不認定処分を受けたことがある場合
  • 雇用失業情勢や労働市場の状況などから、現実的ではない求職条件に固執される方等
  • 正当な理由なく、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと、指示された公共職業訓練を受けること、再就職を促進するために必要な職業指導を拒んだことがある場合

➢手続き

対象となる人は、認定日にハローワークで延長の処理が行われる為、別途申請等の手続きは不要です。

事業所の方は、離職証明書の作成時、退職理由が以下の場合は具体的事情記載欄(事業主用)に記載した離職理由の末尾に「(コロナ関係)」と記載することになっています。

<退職理由>

離職証明書の⑦離職理由欄が、「4(2)重責解雇」、「5(2)労働者の個人的な事情による離職」以外であり、新型コロナウイルス感染症の影響による離職の場合

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/newpage_00583.html

https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/content/contents/risyokusyoumeisyo.pdf

4.その他の新型コロナウイルス感染症に関する変更・特例

その他の変更や特例について、労働局より以下が発表されています。

➢新型コロナウイルス感染症に伴い離職した方における雇用保険の取扱いについて(5/8)

新型コロナウイルスの影響により、以下のような場合で自己都合離職された方は、正当な理由のある自己都合離職(特定理由離職者)として給付制限がなくなり、給付の開始が早くなります

  • 同居の家族が新型コロナウイルス感染症に感染したことなどにより、看護または介護が必要となった為、自己都合離職した場合
  • 本人の職場で感染者が発生したこと、または本人もしくは同居の家族が基礎疾患を有すること、妊娠中であること、高齢であることを理由に自己都合離職した場合
  • 新型コロナウイルス感染症の影響で子の養育が必要となったことから自己都合離職した場合

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/newpage_00554.html

➢新型コロナウイルス感染症に伴う雇用保険の受給期間延長について(5/11)

新型コロナウイルスに感染拡大防止の観点から、ハローワークの来所を控える方や一定の症状のある方、新型コロナウイルスの影響で子の養育が必要となった方について、受給期間の延長が可能です。

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/newpage_00555.html

➢新型コロナウイルス感染症に伴う雇用保険求職者給付の特例について(6/8)

5/8の特例で特定理由離職者の範囲が広くなっていますが、その中でも、新型コロナウイルスの影響により、本人の職場で感染者が発生したことまたは本人もしくは同居の家族が基礎疾患を有すること、妊娠中であることもしくは高齢であることを理由に、自己都合退職した方は、特定受給資格者として、給付制限がなくなり、所定給付日数が手厚くなる可能性があります。

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/newpage_00577.html

➢新型コロナウイルス感染防止の為の失業認定日の変更等について(6/26)

新型コロナウイルス感染防止の為に、失業の認定手続きは郵送で実施されます。ただし、こちらは各都道府県の状況により、各労働局で対応が変わる可能性がありますので、ご自身の管轄の労働局の案内をご確認下さい。

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/newpage_00591.html