【令和2年10月から】年末調整控除申告の電子化のススメ

今年の9月9日に国税庁から、年末調整にかかる手引き資料と、来年度令和2年度の源泉徴収にかかる申告書類の書式が公表されました。併せて、来年10月以降の年末調整から始まる、控除申告の電子化の取組みの概要が記載されています。

 

要旨

・令和2年10月以降の年末調整から、保険料控除申告書/住宅借入金等特別控除申告書の証明書を、紙に替えてデータ(「電子的控除証明書」)添付にて提出することが可能となる
・同時期に、従業員(給与所得者)から給与支払者への年末調整控除申告・電子的控除証明書のための「年末調整ソフト」が、国税庁から無償提供される予定
・申告書の提出を受ける給与支払者は、税務署への事前届出や、給与システムとの連携等の準備をすることで、年末調整事務の削減が可能となる

年末調整/源泉徴収にかかる事務のうち、既に電子化されているもの

「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請」
:年末調整申告書類を給与所得者から給与支払者へ提出する際は原則的に書面にて提出しなければならないとされていますが、特例制度により税務署への届出を行った場合に、申告書に記載すべき事項を電磁的方法にて提出できるようになります。
(ただしこの届出を行った場合でも、今までは、申告書に添付すべき証明書類については、原本での提出/提示を受けなければなりませんでした。来年令和2年10月以降の年末調整からは証明書も、データにて提出することが可能となります。)

なおこの届出にてデータ申告が可能となる書類は以下のものです。
給与所得者の扶養控除等申告書従たる給与についての扶養控除等申告書給与所得者の配偶者控除等申告書給与所得者の保険料控除申告書(所得税法第198条第2項)
退職所得の受給に関する申告書(所得税法第203条第4項)
公的年金等の受給者の扶養親族等申告書(所得税法第203条の5第5項)

来年からは上記に加えて、控除証明書と住宅借入金等特別控除のデータ提出が可能となるため、年末調整申告手続きの、完全なペーパーレス化が実現できるようになるということです。

年末調整手続の電子化に向けて今からできる準備

給与システム等の改修
従業員が提出する控除申告データ・電子的控除証明書を給与システムへ取り込み、計算を行うためのシステム改修等が必要です。
改修対応にあたっては、給与システムを提供する開発業者へ確認をしておきましょう。
税務署への届出
上記の「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請」にて、税務署の承認を受けます。
申告データの提出を令和2年10月から行う場合には、令和2年8月までの税務署提出が必要となります。
従業員への周知
保険会社からの控除証明書をデータ添付してもらうにあたり、従業員へあらかじめ周知をしておきましょう。
従業員から取得方法等の問い合わせを受けた場合は、各保険会社へ尋ねるよう案内してください。

電子化導入後の年末調整業務の変化

・従業員の申告提出
電子的控除証明書等をインポートし、自動入力にて申告データをする場合、記載の手間が削減されます。また控除額の自動計算により、手計算の手間と誤りが無くなります。
・給与支払者の確認業務
手計算で作成された控除申告と比べ、計算誤りのチェックやデータ入力等の手間を削減できます。電子控除証明書をインポートしたデータについては、申告書と証明書の突合確認が不要となります。

まとめ

今年令和1年の年末調整業務の真っ最中、またはひと段落した時期と思いますが、今年の業務の振り返りとあわせて、次年度の業務フロー変更も検討されてはいかがでしょうか。
特に、既に電子化を導入されている会社であれば、保険料控除証明書と住宅借入金等特別控除の電子化も困難ではないと思いますので、ご利用の給与システム等の改修予定のチェックや、従業員への周知の準備をなさることをお勧めします。

 

参考:国税庁「令和元年分 年末調整のしかた」