【9月度】労務情報まとめ 働き方改革推進/70歳まで雇用・厚年被保険者拡大

今月は働き方改革の外堀を埋める動きが進んでいました。働き方改革を含む労働政策の基本方針案が作成され、働き方改革の方向性を改めて明確化する動きや、同一労働同一賃金における短時間、有期労働者のガイドラインたたき台が公開されるなど具体化も進んでいます。

働き方改革の一方、厚生年金制度にて被保険者拡大の方針や、高年齢者雇用安定法の70歳まで定年引上げの方針などにより、現役世代の拡大と定年後の暮らしの安定を進めているようです。

 

厚生労働省 労働政策の基本方針の原案を作成

厚生労働省は、働き方改革の実現に向け、今後の労働政策の方針の原案を作成しました。この方針作成は、6月に成立した働き方改革関連法案にて閣議決定することが定められていました。原案では、労働環境の整備を趣旨とした長時間労働の是正、過労死の防止、業界ごとの取り組み推進、中小企業に対する支援・監督などについて記載しています。今後の労働関係の法整備はこちらが基にされていきますので、ご参考ください。

厚生労働省:労働施策基本方針(案)

 

同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台が公開

働き方改革の一環である同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台が労働政策審議会にて公開されました。同一労働同一賃金のガイドラインは、2016年に案が公表され、正式なガイドラインの公表を前に、今回のたたき台では短時間労働者と有期雇用労働者に関する部分が掲載されています。関係法律の施行日は大企業が2020年4月、中小企業が2021年4月からとなっており、待遇格差への対策を検討する必要があります。

厚生労働省:同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台(短時間・有期労働者に関する部分)

 

厚生労働省 労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針を公表

働き方改革の一環である産業医・産業保険機能の強化を目的として、労働者の心身の状態に関する情報の取り扱いについて、労働者の健康の確保に必要な範囲内で情報の収集、保管、使用することを義務付け、適正な管理に必要な措置を求めています。

厚生労働省:労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針

 

政府 70歳までの雇用を努力目標とする方針

65歳までの雇用を義務付けている高年齢者雇用安定法の見直しが検討されており、従業員が希望する場合、原則70歳まで雇用する努力目標を設けるとの事です。労働者人口が減少する中での経済成長を促進する考えで、現在、65歳以上の雇用については意欲と能力に応じて働ける制度の導入や高年齢者の働きやすい職場作りなどが厚生労働省から企業に対して望まれていますが、65歳以上の高齢者を採用した場合の助成金を拡充するなど雇用環境を整備する議論が行われます。

 

厚生年金 被保険者の拡大を検討

厚生労働省は、厚生年金の被保険者要件を引き下げ被保険の拡大を行う方針です。2016年の適用拡大では、厚生労働省の想定した新たに増加する被保険者は25万人でしたが、今年3月時点で新たに増加した被保険者は38万人となったことを踏まえ、人手不足によるパートの処遇改善が広がる中、さらなる適用拡大を行うとのこと。要件引き下げ案としては、パート労働者の加入要件について、従業員要件を撤廃することや月額賃金要件を8.8万円以上から 6.8万円とすることを検討しており、2020年の成立を目指しているとの事です。

厚生労働省:被用者保険の適用拡大について

 

健康保険被扶養者の手続き 添付書類の取り扱いが変更

2018年10月より、年金機構で受け付ける健康保険被扶養者届において、身分関係と生計維持関係の確認の際、申し立てのみの認定は行わず、次のとおり添付書類が必要となります。

・続柄の確認:戸籍もしくは住民票。ただし、被保険者と被扶養者のマイナンバーが確認できているか、同書類にて事業主の確認が取れている旨の記載がある場合は省略可能
・収入の確認:非課税証明書等。ただし、被扶養者が税法上の扶養である確認が事業主にて取れている旨の記載がある場合は省略可能

日本年金機構:健康保険被扶養者認定事務の変更に伴うお願い

 

 

政府や厚生労働省の方針が企業の労務現場にどのような対応を必要とするのか、引き続き動向をお送りいたします。労務相談、アウトソースはこちらまで。

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