会社が休業となった場合、どのような処理が必要か?

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ニュースを見ていると、会社の都合によって勤務ができなくなってしまったとの話を聞くことがあります。また、労災にあってしまったときに、生活を補償する制度が明確になっていないと、いざというときに困りますよね。

そこで、このように業務が行えなくなってしまったとき、人事としてどのような処理や手続きが必要なのかをまとめました。

 

業務災害による休業の場合◆休業(補償)給付の手続き

業務災害とは、従業員の業務上または通勤による負傷、疾病、障害又は死亡のことをいいます。従業員が業務上又は通勤による傷病のために休業し、そのために賃金を受けない場合、業務災害に対する保険給付がおります。これが休業(補償)給付です。休業期間の4日目から支給されます。

休業(補償)給付を請求するためには、業務災害の場合は「休業補償給付支給請求書」(様式8号)、通勤災害の場合は「休業給付支給請求書」(様式16号の6) を所轄労働基準監督署へ提出することになります。

休業(補償)給付は、賃金を受けない期間1日につき給付基礎日額の60%が支給されますが、このほかに給付基礎日額の20%が特別支給金として支給されますので、全体で給付基礎日額の80%が支給されることになります。

実際の計算ではまず平均賃金を算出し、その後に給付基礎日額を計算します。平均賃金は、原則として事故が発生した日(賃金締切日が定められているときは、その直前の賃金締切日)の直前の3ヶ月間に対象の従業員に対して支給した金額の総額を、その期間の歴日数で除した一日当たりの賃金額のことをいいます。(臨時に支給された賃金、賞与などの3か月を超える期間ごとに支給された賃金は含まれません。)

休業(補償)給付の具体的な計算方法

月額25万円(賃金締切日は末日)、休業が3月に10日発生した場合を想定します。まず、給付基礎日額を計算します。
25万円 × 3か月 ÷ 90日(12月→31日、1月→31日、2月→28日) ≒ 8,334円(1円未満切上)

次に、休業(補償)給付を計算します。
保険給付(60%)+特別支給金(20%) = (8,334円×60%)+(8,334円×20%) ≒ 5,000円(1円未満切捨)+1666円(1円未満切捨) ≒ 6,666円

休業期間が10日ですので、 6,666円 × 10日 = 66,660円 となります。

※所定労働時間の一部について労働した場合には、その日の給付基礎日額から実働に対して支払われる賃金の額を控除した額の80%(60%+20%)に当たる額が支給されます。

 

会社の事情による休業の場合◆休業手当の支給

会社の事情(使用者の責めに帰すべき事由)による休業となった場合、休業期間中については、従業員に対し平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があります。地震や災害などの不可抗力による場合を除き、閑散期で業務がない・建物が改装のため営業できない・機械の故障で業務ができない・経営的な危機に陥りやむを得ず休業せざるを得ない等をいいます。(健康診断の結果に基いて休業を指示した場合などは、使用者の責めに帰すべき事由とはなりません。

あまりないケースではありますが、これまで有休取得率が低いこともあり、良い機会だから希望する従業員には休業期間に有給休暇を取得してもらおうということになれば、それを認めることに問題はありません。

休業手当の具体的な計算方法

月額25万円(賃金締切日は末日)、休業が3月に10日発生した場合を想定します。ここでは、最低限支給する必要がある金額を計算することとします。

まず、平均賃金を計算します。
25万円 × 3か月 ÷ 90日(12月→31日、1月→31日、2月→28日) ≒ 8,333円33銭(小数第2位未満切捨て)

次に、この金額の6割を休業手当としますので、
8,333円33銭 × 60% =5,000円(1円未満四捨五入)

休業期間が10日ですので、
5,000円 × 10日 = 50,000円 となります。

1日のうち一部を休業した場合

労働した時間の割合で賃金が支払われていても、その額が平均賃金の6割に満たなければ、その差額を支払う必要があります。労働した時間に対して払われた賃金が平均賃金の6割以上であれば、それ以上支払う必要はないということです。

時給・日給等の場合の計算方法

時給制や日給制、歩合給制等、月給制社員のように毎日就労していない社員の方については、上記の計算式では平均賃金が低くなってしまう場合があります。その際には、3か月間に支給された給与額を実際に労働した日数で除し、この金額の60%を平均賃金とします。

よって、時給1,000円で8時間勤務、過去3ヶ月にそれぞれ8日・10日・9日出勤していて、10日の休業期間が発生した場合を想定します。

まず、平均賃金を計算します。
1,000円×8時間 × 27日(8日+10日+9日) ÷ 27日(8日+10日+9日) × 60% = 4,800円

次に、この金額の6割を休業手当とし、10日分支給しますので、
4,800円 × 60% × 10日 = 28,800円
となります。

月給者と同様の計算式で計算すると、
1,000円×8時間 × 27日(8日+10日+9日) ÷ 90日(12月→31日、1月→31日、2月→28日) × 60% × 10日 = 14,400円
となり、労働日数を用いた計算での支給金額と比較すると低くなるため、今回は労働日数を用いた計算で算出した額(28,800円となる方)を選択します。

 

まとめ

業務災害による休業、会社の事情による休業、どちらの理由であるかによって、補償の出所・金額が変わります。また、その金額がご本人の手元に入るために必要な手続き・処理も、理由によって変わってきます。急に営業ができなくなった場合に慌てないように、今のうちに取り扱いを確認しておきましょう。

また、休業手当についてはあくまで「6割以上を支給する」ことが定められていますので、それを超える金額を支給することに全く問題はございません。今一度、御社での計算方法をご確認くださいませ。
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